差し押さえ・競売物件とは

差し押さえ・競売物件とは

2018年10月29日(月)

そもそも差押えは「国家権力が個人の有体物あるいは権利について、処分を禁止して確保する」ことを指します。たとえば、ニュースを観ていると警察官が容疑者の自宅を家宅捜索して事件の証拠品を運び出すシーンが映し出されることがありますが、これも差押えです。

不動産業界で差押えといえば、主に住宅ローンなどの債務の支払が遅延した際に、不動産を確保することを指します。差押えをした後に不動産は競売で売却されてします。

もちろん、抵当権をもっているからといって債権者が個人の不動産を勝手に差押えて売却することはできません。しかし、債権者が裁判所という国家権力に訴えることで、裁判所が不動産を差押えて競売に掛け、債権者が弁済を受けることが可能となります。これを「民事執行法上の差押え」と言います。

差押えられてしまうとどうなるの?

物件の差押えは裁判所が行うことなので、基本的に逆らうことはできません。住宅ローンの支払が遅延すると債権者から督促状が届きます。この時点ではまだ物件は差押えられておらず、督促状に従って支払をすれば自宅を差押えられることもありません

しかし、遅延が続くと「期限の利益の喪失予告」という通知が届きます。支払の猶予(住宅ローンを分割で支払う)の権利を債務者が主張できなくなるという通知です。債権者からの「もう待てません。一括で返済してください」という最後通告と言えます。この通知に従わないと「期限の利益の損失」が通告されます。

同時に債権者は裁判所に行政執行手続きを開始します。裁判所に「この債務者は住宅ローンを支払ってくれないので、自宅を差押えて競売に掛けて弁済させてください」という申し立てをするのです。

行政執行手続きが裁判所に受理されたら、いよいよ差押えです。競売の開始が決定され、裁判所から「競売開始決定通知書」が自宅に届きます。「裁判所があなたの自宅を差押えて競売に掛けますよ」という通知です。同時に、「この物件は差押え物件です」と登記簿に記す差押え登記も行われます。

その後、自宅に裁判所の執行官が訪れて不動産の現況調査を行い、競売手続きが行われて自宅が競売物件となってしまいます。

ちなみに、差押えの時点では所有権は移転されないので、自宅に住むことができます。ドラマなどで家財道具に差押えられたことを示す、いわゆる「赤札」が貼られるシーンを見たことがあるかもしれませんが、自宅が差押えられる際にはこのような赤札が貼られることはありません。

しかし、現況調査の際に近隣住民にも聞き込み調査があるので、自宅が差押えられたことが周囲に知られてしまう可能性が高いです。

競売物件とは

競売物件とは以上のような差押えのプロセスを経て競売に掛けられた物件のことを指します。競売とは裁判所が行うオークションです。

「●月●日から入札期間ですよ」という旨が書かれた「競売の期間入札通知書」が自宅に届き、入札が開始したら自宅が競売物件となります。裁判所の執行官が用意した「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」という資料に基づき、購入希望者が入札するかどうか、いくらで入札するかを判断します。

競売物件は一般的な不動産業者が行っているように、購入希望者が事前に内見をすることができません。執行官が用意した資料で間取りや建物の仕様、写真を見て入札を判断する必要があります。また、宅地建物取引主任者が重要事項説明をすることもなく、入居後に不備があったとしても誰も責任を取ってくれません。そのため、一般的な相場よりも3~5割くらい売却価格が安くなります。

競売に掛けられたら、たとえ価値が高い物件であっても安く買い叩かれてしまうのです。

競売に掛けられるとどうなるの?

まずは競売の流れを見てみましょう。1週間から1ヶ月くらいの競売入札期間があり、購入希望者が入札をします。その後、開札が行われ、最高価買受申出人(最も高い金額で入札した人)が決まり、落札となります。さらに、その1週間後に売却許可決定が裁判所から下ります。

落札者が買取代金を納入した時点で、所有権も落札者に移ります。物件の引き渡しをし、自宅を出て行かなければいけません。もし引き渡しに応じなかった場合、裁判所による強制執行もあり得ます。

競売は債権が回収できなかった場合に、物件を売却した利益によって債権者が弁済を受ける手段ですが、多くの場合その役割を果たしきれていません。

先ほども解説したように、競売物件は市場相場の3~5割くらい安い価格でしか落札されません。仮に競売によって利益が出たとしても住宅ローンの残債が売却額を上回り、住宅ローンを返済しきれないケースが非常に多いのです。自宅が競売に掛けられると家を失った上に、借金だけが残るというリスクが高くなります。

しかも、退去費用や引越し費用も自費で賄わなければならないので、より借金が増える危険性もあります。結局自己破産をするしかない状況に追い込まれることも少なくありません

こんなお悩みをお持ちの方はまずはお気軽にご相談下さい。

住宅ローンの支払いできない、ご自宅が差押えられた、競売に掛けられそうになっている場合には、任意売却を検討してみましょう。

自宅を売却してその利益で住宅ローンを弁済するのは競売と同じですが、任意売却は一般的な不動産売買と同じ。競売のように売却価格が低くなることはなく、市場相場でご自宅を売却することができるので、住宅ローンの残債が大幅に軽減できる可能性が高いです。
任意売却でローンを完済しただけでなく、現金が手元に残ったケースもあります。リースバックを利用すれば、ご自宅を売却した後でも賃貸として住み続けることも可能です。

競売入札が開始されてしまってはどうすることもできず、ただ家を失うのを待つだけになりますが、それまでなら間に合います。

訳あり物件買取センターは東京・神奈川で買取実績数No.1。東京で地域密着型の営業をしてきましたので土地事情に詳しく、好条件で買取ができるノウハウがございます。再建築不可物件のような一般的には価値が低い物件も買取可能です。

代表は有名弁護士に弟子入りをし、数々の「事件もの」「訴訟絡み」の物件を取り扱ってきましたので、任意売却にも精通しております。即日の出張査定、最短即日の決済が可能で、切羽詰まった状況でも安心です。

ぜひ、差押え物件、競売物件でお悩みの際には、訳あり物件買取センターにご相談ください。

監修者

宮野 啓一

株式会社ティー・エム・プランニング 代表取締役

国内 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:150件
国内 訳あり物件売買取引件数:1150件
海外 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:30件

※宮野個人の実績件数

宮野啓一

経歴

1964年、東京(六本木)生まれ。叔父・叔母がヨーロッパで多くの受賞歴を持つ一級建築士で、幼少期より不動産や建築が身近なものとして育つ。
日本大学卒業後、カリフォルニア州立大学アーバイン校(UCI)に入学。帰国後は大手ビルオーナー会社に就職し、不動産売買を行う。
平成3年、不動産業者免許を取得し、株式会社ティー・エム・プランニングを設立。同時期より第二東京弁護士会の (故)田宮 甫先生に師事し20年以上に渡り民法・民事執行法を学ぶ。
現在まで30年以上、「事件もの」「訴訟絡み」のいわゆる「訳あり物件」のトラブル解決・売買の実績を積む。
またバブル崩壊後の不良債権処理に伴う不動産トラブルについて、国内・海外大手企業のアドバイザーも兼務し数多くの事案を解決。
日本だけでなくアメリカや中国の訳あり物件のトラブル解決・売買にも実績があり、国内・海外の不動産トラブル解決に精通。米国には不動産投資会社を持ち、ハワイ(ワイキキ・アラモアナエリア)・ロサンゼルス(ハリウッド・ビバリーヒルズ・サンタモニカエリア)を中心に事業を行う。

対象エリア東京都・神奈川県

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